ゆるふわ生活

都会での生活に疲れてワーホリ行ってみたけど失敗した20代半ば♀、ゆる〜くふわっと生きてます。主に映画と本と美容とゆるふわについて書きたいです。

『夏の庭』の感想とひとりごと。

今日もお天気が良かったので、また湖に行って読書してきました。

お日様の下で心地よい風を感じながらの読書は、最高に気持ちが良かったなあ。

 

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今日読んだのは、『夏の庭』という湯本香樹実さんの青春ストーリーです。

以前紹介した、ベルリンにある日本の本屋さんで1ユーロでゲットしたものです。

 

夏の庭 20刷改版 [ 湯本香樹実 ]
価格:464円(税込、送料無料)


 

 

あらすじ:町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごとに高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ。いつしか少年たちの「観察」は老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが・・・。喪(うしな)われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。(裏表紙より)

 

 

久しぶりの青春ストーリーでした。

石田衣良さんの4TEENとか6TEENとか、それらぶりかな。

あまり青春系は読まないのですが、ときどき読むと心洗われます。

今回も、読み終わった後のこの心がポカポカするような、暖かい気持ちがとっても心地よいです。

 

※ネタバレありなので、未読の方はこの先読まないほうがいいかもしれません。

 

 

少年たちは、『人の死』に興味を持ちます。

確かに、不思議なことですよね。

生きていた人が突然この世からいなくなるなんて、想像できない。

私自身、もう20代半ばですが、まだ一度もお葬式に行ったことがありません。

両祖父母とも健在ですし、身近で亡くなった人がこの歳になるまでいないというのはとても恵まれているのかも知れませんが。

私はまだ、人の死に、向き合ったことがないんだなあ。

 

 

少年のうちの1人、山下くんのおばあちゃんがなくなります。

おばあちゃんのお葬式の時のことを、山下くんはこう語ります。

「人間は死ぬと焼かれるんだ。骨になるんだ。」

 

ああ、そうか。

死んだら焼かれて骨になるのか。

知っていたはずなのに、なんだか初めて知ったような、そんな気分。

 

 

少年たちは、近所のおじいさんが死にそうだ、という噂話を聞きつけ、毎日おじいさんを観察し始めます。

しかしおじいさん、そんな彼らに気づいたのか、日に日に元気になっていきます。

 

おじいさんは最初、なんだこのクソガキたちは、人の家をずっと覗き込みやがって、と思っていたでしょう。

でも、クソガキに負けてたまるか!という気持ちだったのかどうかはわかりませんが、それによっておじいさんは元気になっていったのも事実。

おじいさん、彼らと出会えて良かったですね。

 

 

そしておじいさんと少年たちの交流。

特別なことがあったわけではないけれど、庭にコスモスを植えてみたり、戦争の話を聞いたり、おじいさんの昔の奥さんを捜してみたり、一緒にスイカを食べたり、花火をあげたり。

おじいさんにいろんなことを教えてもらって、そしていろんな話をすることで、彼らは少しずつできることが増えていき、そして物事の考え方や捉え方まで変わってゆく。

彼らは日に日に子供から大人へ、成長していきます。

家、学校、習い事だけの世界で生きていた彼らが、おじいさんとの交流を通して世界を広げてゆく。

そしてきっとおじいさんも、彼らと過ごすことで生きる元気を取り戻していったんだろうと思います。

 

人の出会いって、素敵ですね。

出会いはたとえ「観察する側」と「観察される側」であったにしろ、結局それが世代を超えた「友情」に発展したんだからそれでいいじゃない。

 

 

最後、おじいさんは突然ぽっくり逝ってしまいます。

(突然の死に、私は大号泣。)

彼らは最初の目的であった、「死んだ人」を目にすることができました。

ただ、彼らはもうそんなこと望んではいませんでしたけどね。

木山くんは、おじいさんが亡くなった後、こう言っています。

「そうすることが(おじいさんともっと話をすることが)できないのは、すごくさびしい。心細い。だけどそれは、結局僕の問題なのだ。おじいさんは充分、立派に生きたのだ。・・・ぼくもがんばるよ」

 

木山くん、大人になったねえ。

人が死ぬってことは悲しいけれど、とても満足そうで、少し笑っているようにも見える死に顔だったおじいさん、自分の人生に満足して天国へ逝ったんでしょうね。

ぼくもがんばろう、って思える木山くん、素敵です。

私もいつか人の死に向き合った時に、そう思えるかな。

 

 

最後の最後、3人は小学校を卒業し、それぞれ別の道を歩むことになります。

山下くんが言います。

「あの世に知り合いがいるんだ。それってすごく心強くないか!」

 

私の祖父の兄妹には、不思議な力があります。

霊感なのか、なんなのか。

神様や、亡くなった人の魂と会話ができるそうでう。

いつも話半分に聞いているのですが、ときどきふと、祖父の両親を感じる時があります。

感じると言っても、私が感じたいからそう感じるだけかも知れませんが。

寝違えたわけでもないのに、首が痛い時。

ドイツに来る前がそうでした。

もしかしたら、私がドイツに無事に着くように、そばで守ってくれてるのかも知れないな。

ドイツに来たら痛みは無くなっていました。

ありがとう、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃん。

確かに、あの世に知り合いがいるって、心強いな!

山下くんのその言葉に納得したところで、この物語は終わりました。

 

 

子どもの成長の過程を、おじいさんとの交流を通してあたたかく描いたこの作品は、本当に読んでいて心地よかったです。

とってもおもしろかった。

私も本を読みながら、彼らと一緒に成長できたかな。

湯本さんの他の小説も、また読んでみようと思います。